今回は、2回に分けて「PDFにデジタル署名を追加する」を解説したいと思います。
今回の機能
デジタルIDの作成(IDを追加)
PDFには、文書の完全性(文書の作成者が誰なのか・文書が途中で改ざんされていないかなど)を証明するために、デジタル署名を利用することができます。この署名を挿入することによって文書自体の信頼性を向上させることができるため、機密情報を追加した文書のやり取りを行う時にはとても便利です。
Acrobatではこのデジタル署名を追加したPDFの作成を簡単に行うことができますが、事前に自分専用のデジタルID(証明書)を用意しておく必要があります。
※デジタルIDとは、署名を作るための登録情報のようなものです
自分専用のデジタルIDを発行する場合、デジタルIDを発行している企業から購入して使う場合もあれば、自分自身でデジタルIDを作成することもできます。ただし、自分で発行したものは信頼性が低くなります。
その理由は、デジタルIDを、現実社会の車の免許証に置き換えて考えてみるとわかりやすくなります。例えば田中さんという人がいて、田中さん自身が車の免許証を作ると、当然現実では違法です。もし、違法でなかったとしても自分自身で車の免許証を作ったところで、第三者には、免許証自体が有効な物なのかもわかりませんし、まして田中さんが運転できるかどうかもわかりませんね。そのため信頼性に欠けてしまいます。
一方、免許証を発行している機関から、「田中さんは運転できるので、免許証を発行しましょう。」と、言われて公的機関から発行された免許証があれば、誰が見ても「この人は、正しいところで発行された免許証を持っているから、運転できるんだ。」ということになり、信頼性も向上します。
上記の例と同じ考えで、デジタルIDは第三者から発行されたデジタルIDの方が信頼性が高いと言えます。
ただし、デジタルIDを発行している企業から購入する場合、費用が発生してしまうため、ここでは、自分自身でデジタルIDを作る方法をご紹介します。
デジタルIDがあれば、自分自身で作っても、企業から発行したものを使用しても、デジタル署名を追加するAcrobatの操作方法は変わりません。
デジタルIDを作成する
1.Acrobatの[ウィンドウ]メニューから[セキュリティ設定]を選択します。
2.[デジタルID]カテゴリから[IDを追加]を選択します。
3.[今すぐデジタルIDを新規作成]を選択し、[次へ]を選択します。

4.[新しいPKCS#12デジタルIDファイル]を選択し、[次へ]をクリックします。

5.デジタルID(証明書)の情報を入力します。

※この情報が、例で言う「免許証」の内容になるため内容は正しく入力してください。
6.デジタルIDファイルを保存する場所を決め、パスワードを付けます。

※パスワードは、デジタルIDファイルを削除する場合や、デジタルIDを使用したセキュリティの時に使用されます。
7.デジタルIDが作成されます。

これで、自分自身でデジタルIDを作成することができました。後は、このIDを使用して署名を追加するだけですが、その解説は次回にご紹介いたします。
次回は、PDFにデジタル署名を追加する2を紹介します。
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